が半分で貰ってきた子ではあるが、元来が正直者の角蔵は、わが子とおなじようにお蝶を可愛がって育てた。お蝶はもちろんその秘密を知らないので、夫婦を真実の親として慕っていた。
「今までは尼さんの作り話だと一途《いちず》に思いつめていましたが、こうなるとお蝶が鷲の巣にいたというのも本当で、お蝶と鷲とのあいだに何かの因縁があるのかも知れません。」と、角蔵は不思議そうに言った。
「お蝶は乱心しているらしいと、若旦那さまは言っていたが……。そんな因縁付きの娘だということは、誰も知らなかった。」と、久助は言った。「なにしろ若旦那がこんなことになったので、お島さんも気ちがいのようになって泣いていたよ。」
若旦那とお島との秘密、それは角蔵夫婦も知らないのであった。
又次郎の変死は宿の者どもにも堅く口留めをして置いたのであったが、いつか世間に洩れきこえて狭い村じゅうの噂にのぼったので、父の弥太郎もおなじく病気と披露して江戸へ帰ることになった。
江戸へ帰って五日目に、弥太郎もまた急病死去という届け出でがあった。相続人の又次郎は父よりも先に死んでいるのみならず、別に急養子を迎えにくい事情もあるので、和田
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