の家は断絶した。
 弥太郎が撃ち洩らした鳥は、果たして尾白であったかどうだか判らなかったが、ともかくもその一季ちゅうに尾白の姿を認めた者はなかった。記録によると、その翌年、すなわち文政十二年の冬に、尾白の大鷲は鉄砲方の与力《よりき》池田貞五郎に撃ち留められたとある。



底本:「鷲」光文社文庫、光文社
   1990(平成2)年8月20日初版1刷発行
初出:「婦人公論」
   1932(昭和7)年7月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくってい ます。
入力:門田裕志、小林繁雄
校正:松永正敏
2006年10月31日作成
青空文庫作成ファイル:
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