の枕許へ導いた。お絹は半分死んだようになってうとうとと眠っていた。その寝顔には、このあいだ見たよりも更にげっそりと痩せが見えて、こめかみ[#「こめかみ」に傍点]の骨があらわになっているのも悼ましい病苦の姿をまざまざと描いているので、林之助は思わずほろり[#「ほろり」に傍点]となった。彼はお君にむかって病人の容体をきくと、やはり豊吉の話の通りであった。お絹はときどきに熱が昇って肋骨《あばら》が痛む、それがひどく切なさそうだとのことであった。
「君ちゃん」
林之助は小声で彼女を呼んで、次の間の長火鉢の前へ行った。
「それで、お医者はなんと言っているね」
「お医者さまはよっぽど大事にしなけりゃいけないと言っているんです」と、お君は眼をうるませていた。
「そうかい」
林之助は指さきで眼がしらを撫でると、お君はもうしくしく[#「しくしく」に傍点]と泣いていた。
「楽屋の者も看病に来てくれるかい。お花もお若も……」
みんな出掛けに一度ずつは見舞いに来てくれるが、親身《しんみ》に看病してゆく者もないと、お君は頼りなげに言った。それでも豊吉はゆうべ来て、四つ少し前までいてくれたと話した。世間には
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