でしょうか、殺されたんでしょうか」
口々に語り合っている弥次馬の噂を聴きながら、吉五郎はなおもあたりに眼を配っていると、十三、四歳らしい武家の娘と、十八、九ぐらいの女中らしい女とが息を切って駈け付けて来た。
「ちょっと御免ください」
諸人を押し分けて死骸のそばへ進み寄ると、あたりの人々は俄かに路を開いた。その様子をみて、吉五郎はすぐに覚《さと》った。ひとりは瓜生の妹娘で、ひとりは奉公人であろう。父や母は世間の手前、ここへ顔出しも出来ないので、娘と女中が取りあえず真偽を確かめに来たに相違ない。見物の人々もその顔を見識っているので、直ぐに路を開いて通したのであろう。さてこれからどうなるかと窺っていると、女中は死骸のそばに立っている自身番の男に会釈《えしゃく》した。
「この死骸をみせて貰うことは出来ますまいか」
「はい、どうぞ……」と、男は気の毒そうに云いながら、顔のあたりの莚《むしろ》を少しくまくりあげて見せた。
二人の女はひと目のぞいて、たがいに顔を見あわせたが、それぎり暫くは何も云わなかった。やがて男に再び会釈して、二人は無言のままで立ち去ってしまった。
「家《うち》から云い付け
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