その遣り口がめずらしいので、ちょっと世間をおどろかしただけのことですよ。でも、まあ、いい塩梅にその後再びそんな真似をする奴も出ませんでした。今日《こんにち》ならば死骸の疵口をあらためただけで、人間が咬んだのか、獣が咬んだのか、そのくらいのことはすぐ鑑定が付くでしょうが、昔はそれがよく判らなかったんですね。それだけに探索の方も余計に骨が折れたんですよ」



底本:「時代推理小説 半七捕物帳(二)」光文社文庫、光文社
   1986(昭和61)年3月20日初版1刷発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:曽我部真弓
1999年9月17日公開
2004年2月29日修正
青空文庫作成ファイル:
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