中国怪奇小説集
続夷堅志・其他
岡本綺堂
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)金《きん》・
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)白金一|笏《こつ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「てへん+牽」、235−8]馬嶺《けんばれい》
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第十の男は語る。
「わたくしは金《きん》・元《げん》を割り当てられました。御承知の通り、金は朔北《さくほく》の女真族《じょしんぞく》から起って中国に侵入し、江北に帝と称すること百余年に及んだのですから、その文学にも見るべきものがある筈ですが、小説方面はあまり振わなかったようです。そのなかで、学者として、詩人として、最も有名であるのは元好問《げんこうもん》でありましょう。彼は本名よりも、その雅号の元遺山《げんいざん》をもって知られて居ります。前に『夷堅志』が紹介された関係上、ここでは元遺山の『続夷堅志』を紹介することに致しました。
元は小説戯曲勃興の時代と称せられ、例の水滸伝《すいこでん》のごとき
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