、その後にもいろいろの人が来て撮影しました。東京からも三、四人来ました。土地でも本職の写真師は勿論、我れわれのアマチュアが続々押掛けて行って、たびたび撮影を試みましたが、めったに成功しません。それでは全然駄目かというと、十人に一人ぐらいは成功して、確かに馬と少年の姿が浮いてみえるのです。」
「なるほど不思議ですね。」と、わたしも溜息をつきました。「そうして、あなたは成功しましたか。」
「いや、それが残念ながら不成功です。六、七回も行ってみましたが、いつも失敗を繰返すので、わたくしはもう諦めているのですが、あなたのお出でになったのは幸いです。あしたは是非お供しましょう。」
「はあ、ぜひ御案内をねがいましょう。」
 わたしの好奇心はいよいよ募って来ました。もう一つには、十人に一人ぐらいしか成功しないという不思議の写真を、見ごと自分のカメラに収めてみせようという一種の誇りも加わって、わたしはあしたの来るのを待ちこがれていました。

     三

 あくる朝は幸いに晴れていたので、わたしは早朝から支度をして、横田君と一緒に出ました。横田君も写真機携帯で、ほかに店の小僧ひとりを連れてゆきました
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