い立つ奔馬に引きずられて吹雪のなかを転んだり起きたりして駈けてゆく。ほかの馬飼も捨松に加勢するつもりで、あとから続いて追いかけたのですが、雪が激しいのと、馬が早いのとで、誰も追い付くことが出来ない。ただうしろの方から、おういおうい、と声をかけるばかりでした。
 そのうちに吹雪はいよいよ激しくなって、白い大浪が馬と人とを巻き込んだかと思うと、二つながら忽ちにその影を見失った。どうも池のなかへ吹き込まれたらしいのです。騒ぎはますます大きくなって、大勢がいろいろに詮議したのですが、捨松も白鹿毛も、結局ゆくえ不明に終りました。
 やはり以前の木馬と同じように池の底に沈んだのであろうと諦めて、新しく作られた木像と木馬を龍神の社前に据えつけて、ともかくもきょうの式を終りましたが、もしやこれもまた抜け出すようなことはないかと、黒太夫の家からは朝に晩に見届けの者を出していましたが、木像も木馬も別条なく、社を守るように立っているので、まず安心はしたものの、それにつけても捨松と白鹿毛の死が悲しまれました。
 誰が見ても、その木像と木馬はまったく捨松と白鹿毛によく似ているので、あるいは名人の技倆によって、人
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