られないので、横田君はそこらの枯枝や落葉を拾って来る。わたしも手伝って火を焚いて、湯を沸かす、茶を淹れる。こうして午飯を食い始めたのですが、昌吉はまだ帰らない。ふたりはだんだんに一種の不安をおぼえて、たがいに顔を見合せました。
「どうしたのでしょう。」
「どうしましたか。」
早々に飯を食ってしまって、ふたりは昌吉のゆくえ捜索に取りかかりました。ふたりは池を一とまわりして、さらに近所の森や草原を駈けめぐりました。龍神の社の跡という草むらをも掻きわけて、およそ二時間ほども捜索をつづけたのですが、昌吉はどうしても見付かりません。横田君もわたしもがっかりして草の上に坐ってしまいました。
「もう仕様がありません。家へ帰って出直して来ましょう。」と、横田君は言いました。
バスケットなどはそこにおいたままで、ふたりは早々に帰り支度をしました。日の暮れかかる頃に町へ戻って来てそのことを報告すると、店の人々もおどろいて、店の者や出入りの者や、近所の人なども一緒になって、二十人ほどが龍馬の池へ出てゆきました。横田君も先立ちになって再び出かけました。
「あなたはお疲れでしょうから、風呂へはいってゆっくりお休み下さい。」
横田君はこう言いおいて出て行きましたが、とても寝られるわけのものではありません。私もおちつかない心持で捜索隊の帰るのを待ち暮らしていますと、夜なかになって横田君らは引揚げて来ました。
「昌吉はどうしても見つかりません。」
その報告を聴かされて、私もいよいよがっかりしました。それと同時に、昌吉のゆくえ不明は、かの捨松とおなじような運命ではあるまいかとも考えられました。
わたしはその翌日もここに滞在して、昌吉の行く末を見届けたいと思っていますと、きょうは警察や青年団も出張して、大がかりの捜索をつづけたのですが、少年のゆくえは結局不明に終りました。いつまでもここの厄介になってもいられないので、わたしは次の日に出発して、宇都宮に一日を暮らして、それから真っ直ぐに帰京しましたが、何分にも昌吉のことが気にかかるので、横田君に手紙を出してその後の模様を問いあわせると、二、三日の後に返事が来ました。その文句は大体こんなことでした。
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前略、折角お立寄りくだされ候ところ、意外の椿事|出来《しゅったい》のために種々御心配相掛け、なんとも申訳無御座候。昌吉のゆ
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