が、やはり舞台に出ていることが好きであるのか、あるいは経済上の都合があるのか、彼はとうとう仆《たお》れるまで、舞台の人となっていた。
盛者必衰は免かれ難い因果とはいいながら、団菊左の諸名優を相手にして、「弁天おてる」や三千歳を演じていた青年美貌の俳優が、こうした蕭条《しょうじょう》の終りを取ろうとは――。私も自分の影をかえりみて、暗い心持にならざるを得ない。
底本:「岡本綺堂随筆集」岩波文庫、岩波書店
2007(平成19)年10月16日第1刷発行
2008(平成20)年5月23日第4刷発行
底本の親本:「読書感興」
1936(昭和11)年7月号
初出:「読書感興」
1936(昭和11)年7月号
入力:川山隆
校正:noriko saito
2008年11月29日作成
青空文庫作成ファイル:
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