寄席と芝居と
岡本綺堂
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)落語家《はなしか》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)|累ヶ淵《かさねがふち》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]話
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ちら/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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一 高坐の牡丹燈籠
明治時代の落語家《はなしか》と一と口に云っても、その真打《しんうち》株の中で、いわゆる落とし話を得意とする人と、人情話を得意とする人との二種がある。前者は三遊亭円遊、三遊亭遊三、禽語楼小さんのたぐいで、後者は三遊亭円朝、柳亭燕枝、春錦亭柳桜のたぐいであるが、前者は劇に関係が少ない。ここに語るのは後者の人情話一派である。
人情話の畑では前記の円朝、燕枝、柳桜が代表的の落語家と認められている。就中《なかんずく》、円朝が近代の名人と称
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