とくなり。



  〔燈を紅き町の家より〕


燈を紅き町の家より、      いつはりの電話来れば、
(うみべより売られしその子)  あわたゞし白木のひのき。

雪の面に低く霧して、      桑の群影ひくなかを、
あゝ鈍びし二重のマント、    銅版の紙片をおもふ。



底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
   1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
※底本は、1作品が1ページにおさまるように行間を調整している。ただし、このファイルでは、作品の末尾にそのつど[#改ページ]と書き込むことはせず、頁の変わり目ごとに3行をあけた。
※底本は、「作者専用の詩稿用紙に書かれた詩篇を収録し」、多くの詩篇で、詩稿の形式に合わせて上下に二句を配置し、字間スペースなどを調整して下の句の頭が横にそろうように組んである。この形を取っている詩篇に関しては、本ファイルでも、句間を最低全角2字空けとし、下の句の頭を横にそろえた。
入力:junk
校正:今井忠夫
2003年9月4日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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