まのお身代りぢゃで、わしの云ふとほりさっしゃれ。なまねこ。なまねこ。」
「どうしたらようございませう。」と狼があわててききました。狸が云ひました。
「それはな。じっとしてゐさしゃれ。な。わしはお前のきばをぬくぢゃ。このきばでいかほどものの命をとったか。恐ろしいことぢゃ。な。お前の目をつぶすぢゃ。な。この目で何ほどのものをにらみ殺したか、恐ろしいことぢゃ。それから。なまねこ、なまねこ、なまねこ。お前のみゝを一寸《ちょっと》かじるぢゃ。これは罰ぢゃ。なまねこ。なまねこ。こらへなされ。お前のあたまをかじるぢゃ。むにゃ、むにゃ。なまねこ。この世の中は堪忍が大事ぢゃ。なま……。むにゃむにゃ。お前のあしをたべるぢゃ。なかなかうまい。なまねこ。むにゃ。むにゃ。おまへのせなかを食ふぢゃ。ここもうまい。むにゃむにゃむにゃ。」
 たうとう狼《おほかみ》はみんな食はれてしまひました。
 そして狸《たぬき》のはらの中で云ひました。
「こゝはまっくらだ。あゝ、こゝに兎《うさぎ》の骨がある。誰《たれ》が殺したらう。殺したやつはあとで狸に説教されながらかじられるだらうぜ。」
 狸はやかましいやかましい蓋《ふた》をし
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