蛙はどくどくどくどく水を呑んでからとぼけたやうな顔をしてしばらくなめくぢを見てから云ひました。
「なめくぢさん。ひとつすまふをとりませうか。」
なめくぢはうまいと、よろこびました。自分が云はうと思ってゐたのを蛙の方が云ったのです。こんな弱ったやつならば五へん投げつければ大ていペロリとやれる。
「とりませう。よっしょ。そら。ハッハハ。」かへるはひどく投げつけられました。
「もう一ぺんやりませう。ハッハハ。よっしょ。そら。ハッハハ。」かへるは又投げつけられました。するとかへるは大へんあわててふところから塩のふくろを出して云ひました。
「土俵へ塩をまかなくちゃだめだ。そら。シュウ。」塩が白くそこらへちらばった。
なめくぢが云ひました。
「かへるさん。こんどはきっと私《わたくし》なんかまけますね。あなたは強いんだもの。ハッハハ。よっしょ。そら。ハッハハ。」蛙はひどく投げつけられました。
そして手足をひろげて青じろい腹を空に向けて死んだやうになってしまひました。銀色のなめくぢは、すぐペロリとやらうと、そっちへ進みましたがどうしたのか足がうごきません。見るともう足が半分とけてゐます。
「あ
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