げた鷲《わし》の  つばさ
 あおいめだまの 小いぬ、
 ひかりのへびの とぐろ。

 オリオンは高く うたい
 つゆとしもとを おとす、
 アンドロメダの くもは
 さかなのくちの かたち。

 大ぐまのあしを きたに
 五つのばした  ところ。
 小熊《こぐま》のひたいの うえは
 そらのめぐりの めあて。」
 双子のお星様たちは笛を吹《ふ》きはじめました。
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   双子《ふたご》の星 二

(天《あま》の川《がわ》の西の岸に小さな小さな二つの青い星が見えます。あれはチュンセ童子とポウセ童子という双子のお星様でめいめい水精《すいしょう》でできた小さなお宮に住んでいます。
 二つのお宮はまっすぐに向い合っています。夜は二人ともきっとお宮に帰ってきちんと座ってそらの星めぐりの歌に合せて一晩銀笛を吹くのです。それがこの双子のお星様たちの役目でした。)
 ある晩空の下の方が黒い雲で一杯《いっぱい》に埋《う》まり雲の下では雨がザアッザアッと降って居《お》りました。それでも二人はいつものようにめいめいのお宮にきちんと座って向いあって笛を吹いていますと突然《とつぜん》
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