がんけいもんどう》、大博士発明のめがね。
六、さすがのフウケーボー大博士も命《いのち》からがらにげだした。
 恐竜《きょうりゅう》、化石《かせき》の向こうから。
 大博士に疑問《ぎもん》をいだく。噴火|係《がかり》の職《しょく》をはがれ、その火山|灰《ばい》の土壌《どじょう》を耕《たがや》す。部下《ぶか》みな従《したが》う。
七、ノルデは頭からすっかり灰をかぶってしまった。
 サンムトリの噴火。ノルデ海岸《かいがん》でつかれてねむる。ナスタ現《あら》わる。夢《ゆめ》のなかでうたう。
八、ノルデは野原《のはら》にいくつも茶いろなトランプのカードをこしらえた。
 ノルデ奮起《ふんき》す。水の不足《ふそく》。
九、ノルデがこさえたトランプのカードを、みんなは春は桃《もも》いろに夏は青くした。
 恋人《こいびと》アルネとの結婚《けっこん》……夕方。
十、ノルデはみんなの仕事《しごと》をもっとらくにしようと考えた。そんなことをしなくってもいいよ。
 おれは南の方でやって見せるよ。大|雷雨《らいう》。桜《さくら》の梢《こずえ》からセントエルモの火。暗《やみ》のなか。
十一、ノルデは三べん胴上《どう
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