きはそのいいつけられるものの目方で自分のからだの目方を割って答を見つける。第二、云いつける仕事にその答をかける。第三、その仕事を一ぺん自分で二日間やって見る。以上。その通りやらないものは鳥の国へ引き渡す。」
さああまがえるどもはよろこんだのなんのって、チェッコという算術のうまいかえるなどは、もうすぐ暗算をはじめました。云いつけられるわれわれの目方は拾《じゅう》匁、云いつける団長のめがたは百匁、百匁割る十匁、答十。仕事は九百貫目、九百貫目掛ける十、答九千貫目。
「九千貫だよ。おい。みんな。」
「団長さん。さあこれから晩までに四千五百貫目、石をひっぱって下さい。」
「さあ王様の命令です。引っぱって下さい。」
今度は、とのさまがえるは、だんだん色がさめて、飴色《あめいろ》にすきとおって、そしてブルブルふるえて参りました。
あまがえるはみんなでとのさまがえるを囲んで、石のある処《ところ》へ連れて行きました。そして一貫目ばかりある石へ、綱《つな》を結びつけて
「さあ、これを晩までに四千五百運べばいいのです。」と云いながらカイロ団長の肩に綱のさきを引っかけてやりました。団長もやっと覚悟《かく
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