いきなりそんな悪い叫びを
   投げつけるのはいつたいたれだ
   けれども尋常一年生だ
   夜中を過ぎたいまごろに
   こんなにぱつちり眼をあくのは
   ドイツの尋常一年生だ)
あいつはこんなさびしい停車場を
たつたひとりで通つていつたらうか
どこへ行くともわからないその方向を
どの種類の世界へはひるともしれないそのみちを
たつたひとりでさびしくあるいて行つたらうか
 (草や沼やです
  一本の木もです)
 ※[#始め二重パーレン、1−2−54]ギルちやんまつさをになつてすわつてゐたよ※[#終わり二重パーレン、1−2−55]
 ※[#始め二重パーレン、1−2−54]こおんなにして眼は大きくあいてたけど
  ぼくたちのことはまるでみえないやうだつたよ※[#終わり二重パーレン、1−2−55]
 ※[#始め二重パーレン、1−2−54]ナーガラがね 眼をじつとこんなに赤くして
  だんだん環《わ》をちひさくしたよ こんなに※[#終わり二重パーレン、1−2−55]
 ※[#始め二重パーレン、1−2−54]し 環をお切り そら 手を出して※[#終わり二重パーレン、1−2−55]
 ※[#
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