うをしてるでせう
*それでもわるいにほひでせう
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風林
(かしはのなかには鳥の巣がない
あんまりがさがさ鳴るためだ)
ここは艸があんまり粗《あら》く
とほいそらから空気をすひ
おもひきり倒れるにてきしない
そこに水いろによこたはり
一列生徒らがやすんでゐる
(かげはよると亜鉛とから合成される)
それをうしろに
わたくしはこの草にからだを投げる
月はいましだいに銀のアトムをうしなひ
かしははせなかをくろくかがめる
柳沢《やなぎさは》の杉はコロイドよりもなつかしく
ばうずの沼森《ぬまもり》のむかふには
騎兵聯隊の灯も澱んでゐる
※[#始め二重パーレン、1−2−54]ああおらはあど死んでもい※[#終わり二重パーレン、1−2−55]
※[#始め二重パーレン、1−2−54]おらも死んでもい※[#終わり二重パーレン、1−2−55]
(それはしよんぼりたつてゐる宮沢か
さうでなければ小田島国友
向ふの柏木立のうしろの闇が
きらきらつといま顫へたのは
Egmont Overture にちがひな
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