風変りな決闘
宮原晃一郎
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)出来た頃《ころ》は
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)鉄砲|上村《かみむら》どん
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#天から2字下げ]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)どし/\と
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はじめて見た機関砲
今でこそ日本は、最新兵器をもつ世界一流の陸海軍国であるが、明治維新となり、はじめて陸海軍が出来た頃《ころ》は、兵器でも軍隊の組織でもまだ尋常一年生で、すべて西洋諸国に学んでゐた。しかし日本人の優れてゐたことは、その頃でも変りなかつた。
その頃フランスへ行つて、フランス軍人をあつといはせた「鉄砲|上村《かみむら》どん」の痛快な話がある。
「鉄砲上村どん」の本当の名は上村|五郎《ごらう》、薩摩藩《さつまはん》の人で、小さい時から射撃の天才であつた。大きくなつて藩の銃隊に入り、幕末に起つた幾度《いくたび》かの戦に従軍して、すばらしい手柄を立て、「鉄砲上村どん」と鉄砲の神様のやうに尊敬されたのだつた
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