豆小僧の冒険
宮原晃一郎
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)或《あ》る
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)にこ/\
−−
一
昔、或《あ》る大きな山の麓《ふもと》に小さなお寺がありました。小さな和尚さんと、小さな小僧とたつた二人さみしくそこに暮してをりました。
お寺のそばには小さな村がありました。小さな村の人たちは、小さなお寺と、小さな和尚さんと、小さな小僧とのことを、豆寺《まめでら》の豆和尚《まめをしやう》さんと豆小僧《まめこぞう》とよんでゐました。
小さなお寺ですから用事も沢山はありません。毎朝仏様にお勤《つとめ》がすむと、お天気さへよければ、豆小僧は上の山へ柴刈《しばか》りに行くのでした。
ある日、豆小僧が柴を刈つて、束ねてゐますと、どこからかしら一人の婆《ばあ》さんが出て来て、馴々《なれなれ》しく言葉をかけました。
「まあ、豆小僧さん、お前さん本当に感心な子だね。毎日々々柴刈りに来て、よく飽《あ》きないことねえ。わたしはこの山の番人だから本当は柴をことわりなしに刈りに来る人があれば、咎《と
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