がございません。」
王様はこの話をお聞きになつて仰せられました。
「それでは私《わたし》のお城のお庭に来て住みなさい。そこには狐も狸《たぬき》も決して入れないことにする。又お前が飛ぶも、歩くも自由にして決して妨げない。決して籠《かご》などに入れようとは言はないから……そして私にお前の生々した、美しい歌を謡つて聞かしてくれ。私はお前を今後生れる鶉の先祖にしてやるから。」
そこで鶉は王様のお城に住み、今見るやうな尾無し鶉の先祖になりました。
底本:「日本児童文学大系 第一一巻」ほるぷ出版
1978(昭和53)年11月30日初刷発行
底本の親本:「竜宮の犬」赤い鳥社
1923(大正12)年5月
初出:「赤い鳥」赤い鳥社
1922(大正11)年2月
入力:tatsuki
校正:鈴木厚司
2005年8月21日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全14ページ中14ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮原 晃一郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング