愛人と厭人
宮原晃一郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)云々《うんぬん》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)昔|流行《はや》つた

[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2−94−57]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いろ/\な意見
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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 有島武郎[#「有島武郎」に丸傍点]君の「惜みなく愛は奪ふ」は出版されるや否や非常な売れ行きであるさうな。しかし売れ行きといふことが直にその本の真価を示すものではないと同時に、売れ行く本は直に俗受けのものと独断して、文壇の正系(?)が之を無視するのはよくないことだ。過般有島君の芸術を通じてその生活を一般が云々《うんぬん》することについて、中央文学に一寸《ちよつと》書いた時、「三部曲」の批評が出なかつたことを指摘して置いたが、此本の「後書」を見ると、矢張りあの書に
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