be or not to be と苦しみましたが、その代表作『中心なく』Uden midtpunkt は流石に、フランス自然主義大家の筆を偲ばせるものがあります。その他ノーベル賞を受けたギェレルウプ Gjellerup、怪奇な筆を弄することロシアのアンドレエフに似たヘルマン・バング Herman Bang などありますが、此處には申しません。
       二十、スウェデンの自然主義
 スウェデンの方では、一八七九年に、アウグスト・ストリンドベーリ August Strindberg が『赤い部屋』Raada rummet を出したのが自然主義の始まりで、そのおかげで、スウェデン文學が一新され、エィエルスタム Geijerstam、ボート 〔Ba&a&th〕 オーラ・ハンソン Ola Hanson などが、その後を追ふやうになりました。ストリンドベーリについてはその劇の大部分と、小説の若干とが飜譯されて、いろいろ紹介もされてをりますから、私は此處には別に申し上げません。只一つ言ひたいことは、彼の自然主義的、或は社會主義的、コスモポリタンな一面だけより見ない在來の行き方に一歩を進め、スウ
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