すぐれた価値が分るだろう。彼はビリングズにでも挿画を描かして、ティックナ社といったような有名な出版|書肆《しょし》から、それを立派に世に出してくれると思うんだ。今から五箇月もしたら、僕はきっと、現代の大家の中に数えられてるね!』
『かわいそうに!』とプリムロウズは半分ひとりごとのように言った。『彼は当てがはずれて、どんなにがっかりするでしょう!』
も少し下へおりて行くうちに、熊公《ブルイン》が吠えはじめた。すると先輩のベンがもっと重みのある声でそれに応《こた》えた。彼等はまもなく、その感心な老犬が、ダンデライアンとスウィート・ファーンとカウスリップとスクォッシュ・ブロッサムとを、油断なく見張っているのを見た。それらの小さな子供達は、すっかり疲れもなおって、チェッカベリ摘みをはじめていたのだが、みんながおりて来たので、迎いに登って来た。こうしてまた一しょになると、みんなそろって、ルーサ・バトラさんとこの果樹園を抜けて丘をおりて、大急ぎでタングルウッドへ帰って行った。
底本:「ワンダ・ブック 少年少女のために」岩波文庫、岩波書店
1937年(昭和12)年9月1日第1刷発行
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