王様の名前はアイオバティーズといい、治めている国はリシアといいました。ビレラフォンは世にも勇ましい青年の一人で、彼の何よりの望みは、世界中の人にほめられ、愛されるほどの勇ましい、そして世のため人のためになるような手柄を立てることでした。その時代には、青年が名をあらわすためには、彼の国の敵と闘《たたか》うか、悪い巨人か、厄介な大蛇かを向うに廻すか、それとも他にそれ以上危険な相手が見つからない時には、野獣を退治て見せるとかするほかありませんでした。アイオバティーズ王は、この若い客人の勇気をみとめて、彼に、行ってカイミアラと闘って見てはとすすめました。ほかの誰もがそれをおそれていて、そのままにしておいては、リシアの国が荒野にされてしまいかねなかったからです。ビレラフォンは少しもためらわないで、彼がこの、みんなのおそれているカイミアラを倒すか、或は闘って自分が死ぬかだと、王様に約束しました。
 しかし、先《ま》ず第一に、その怪物はおそろしく速いので、彼は徒歩《かち》で闘っては、とうてい勝てないと思いました。だから、一番利口なことは、どこかで、またとないような勝《すぐ》れた、足の速い馬を見つけて
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