ったというのもそこだと彼は話した。子供達はユースタスに、その不思議な事柄について、すっかり話してくれと熱心に頼んだ。しかしその学生は、その話はもう、前に一度話した人があって、それ以上上手にはまたと誰もやれないくらいで、それが「ゴーゴンの首」や「三つの金の林檎」その他の不思議な伝説ほど古くなるまでは、誰にもその一言《ひとこと》だってつくり変える権利はないのだと答えた。
『でも、』とペリウィンクルは言った、『あたし達がここで休んで、方々を眺めている間に、あなたは御自分でつくった、ほかの話をして下さるくらいなことは出来るでしょう。』
『そうよ、ユースタスにいさん、』とプリムロウズは叫んだ、『あたしあなたがここでお話をして下さるようにおすすめするわ。何か高尚な題を考えて、あなたの空想がそこまで行けないものか、ためしてごらんなさい。多分山の空気が今日に限って特別にあなたを詩的にすると思うわ。そして、そのお話が、どんなに変った、不思議なものでもかまいません。あたし達はこうして雲の中にいるんだから、どんなことでも信じることが出来ますわ。』
『じゃ、昔、翼の生えた馬がいたなんてことを本当に出来る?』とユースタスは尋ねた。
『ええ、』と生意気なプリムロウズは言った、『しかし、あなたはとてもそれをつかまえられそうもない気がするわ。』
『それくらいなことはなんだ、プリムロウズ、』と学生は答えた、『僕は多分ペガッサスをつかまえることは出来そうだ。その上、僕の知っている十人以上の人物に負けないくらい上手に、それに乗ることも出来そうだな。とにかく、ペガッサスについての話があるんだ。そして、ほかのどんなところよりも、その話をするには、こうした山の上がいい。』
 そこで、彼は積んである石の上に腰をおろし、子供達はその下にかたまって、ユースタスは、近くを飛んで行く白い雲をじっと見つめながら、次のように話しはじめた。
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    カイミアラ

 古い、古い昔のこと(というのは、僕がお話するような不思議なことはみんな、誰も覚えていないような大昔に起ったことですから)、不思議の国、ギリシャの或る丘の中腹から、一つの泉が湧き出ていました。そして、何千年もたった今日《こんにち》でも、やはりそれは全く同じ場所から湧き出ていることだろうと僕は思います。とにかく、その気持のいい泉が、金色の入日をうけて
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