貝殼追放
「末枯」の作者
水上瀧太郎
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)知己《ちかづき》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)それ程|變《へん》てこ
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)馳※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]つて居る
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)生々《なま/\》しく
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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久保田万太郎君と自分とのおつきあひも既に十年になつた。久保田君が「朝顏」を書き、自分が「山の手の子」を書いた頃から知己《ちかづき》になつたのだ。
あれは「三田文學」創刊の年の秋だつたと思ふ。その頃三田の山の上にかたまつて居た連中が、同人雜誌を出す計畫をした。誰一人作品を發表した事の無い處女性から、「三田文學」といふやうな立派な雜誌を舞臺にする事は思ひもよらなかつたので、先づ手習に同人雜誌を出さうといふのが主意だつた。自分も好奇心に驅られて相談會に出席した。場所
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