貝殼追放
「八千代集」を讀む
水上瀧太郎
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)如何《どう》いふ
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)花|片《びら》が、
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]話
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いろ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
岡田夫人から「八千代集」を頂いた。
ひと昔前の事、自分がまだ中學の時代に、如何《どう》いふ心持で讀んだのか忘れてしまつたが、小山内薫《をさないかをる》氏の「夢見草」と、小山内八千代さんの「門の草」といふ文集を、常に机の上に置く十數册の詩歌集と一緒に並べて持つてゐた。ヲサナイと呼ぶ事を知らずにコヤマウチだと思つてゐた。小山内氏兄妹が、泉鏡花先生の作品の愛讀者であり且研究者だといふ事を、ある雜誌で承知して、その爲に買つた二册だつたかと思ふ。本の裝幀が美し
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