逆徒
平出修

−−−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)約《つづ》めて

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)随分|飛放《とつぱな》れた

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「りっしんべん+尚」、第3水準1−84−54]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ばら/\になつて
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」

ヽ:伏せ字
(例)ヽヽヽヽヽの奮闘は
−−−−

 判決の理由は長い長いものであつた。それもその筈であつた。之を約《つづ》めてしまへば僅か四人か五人かの犯罪事案である。共謀で或る一つの目的に向つて計画した事案と見るならば、むしろこの少数に対する裁判と、その余の多数者に対する裁判とを別々に処理するのが適当であつたかもしれない。否その如く引離すのが事実の真実を闡明にし得たのであつたらう。三十人に近い被告が、ばら/\になつて思念し行動した個々の犯罪事実を連絡のあるもの、統一のあるものにして了はうと
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