《ぱう》東洋《とうやう》の平和《へいわ》を保《たも》たんが爲《た》め、他方《たはう》少《すくな》くとも我國《わがくに》の威信《ゐしん》を存《そん》せんが爲《た》めには非常《ひじやう》の决心《けつしん》と實力《じつりよく》とを要《えう》するのである。然《しか》るも我國《わがくに》の財源《ざいげん》には限《かぎり》あり、兵船《へいせん》の増加《ぞうか》にも限度《げんど》あり、國《くに》を思《おも》ふの士《し》は日夜《にちや》此事《このこと》に憂慮《ゆうりよ》し、絶《た》えず此點《このてん》に向《むか》つて策《さく》を講《こう》じて居《を》る。櫻木海軍大佐《さくらぎかいぐんたいさ》は元來《ぐわんらい》愛國《あいこく》慷慨《かうがい》の人《ひと》、甞《かつ》て北海《ほくかい》の※[#「さんずい+氣」、第4水準2−79−6]船《きせん》で面會《めんくわい》した時《とき》も、談話《だんわ》爰《こゝ》に及《およ》んだ時《とき》、彼《かれ》はふと衣袋《ポツケツト》の底《そこ》を探《さぐ》つて、昨夜《さくや》旅亭《りよてい》の徒然《つれ/″\》に作《つく》つたのだと言《い》つて、一|篇《ぺん》の不思議《
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