くらぎかいぐんたいさ》との奇遇《きぐう》。鐵《てつ》の響《ひゞき》と屏風岩《べうぶいわ》の奇異《きゐ》。猛犬稻妻《まうけんいなづま》の世《よ》にも稀《まれ》なる犬《いぬ》なる事《こと》。大佐《たいさ》や少年《せうねん》や其他《そのほか》三十|有餘名《いうよめい》の水兵等《すいへいら》が趣味《しゆみ》ある日常《にちじやう》の生活《せいくわつ》のさま/″\、晨《あした》には星《ほし》を戴《いたゞ》いて起《お》き、夕《ゆふべ》には月《つき》を踏《ふ》んで歸《かへ》る、其《その》職務《しよくむ》の餘暇《よか》には、睦《むつ》まじき茶話會《ちやわくわい》、面白《おもしろ》き端艇競漕《たんていきようそう》、野球競技等《やきゆうきようぎとう》の物語《ものがたり》は、如何《いか》に彼等《かれら》を驚《おどろ》かしめ笑《わら》はしめ樂《たの》しましめたらう。特《こと》に朝日島《あさひじま》紀念塔《きねんたふ》設立《せつりつ》の顛末《てんまつ》――あの異樣《ゐやう》なる自動冐險車《じどうぼうけんしや》が、縱横無盡《じうわうむじん》に[#「縱横無盡《じうわうむじん》に」は底本では「樅横無盡《じうわうむじん》に」]、深山《しんざん》大澤《たいたく》の間《あひだ》を猛進《まうしん》したる其時《そのとき》の活劇《くわつげき》。猛獸《まうじう》毒蛇《どくじや》との大奮鬪《だいふんとう》。武村兵曹《たけむらへいそう》の片足《かたあし》の危《あぶ》なかつた事《こと》。好奇心《かうきしん》から砂《すな》すべりの谷《たに》へ顛落《てんらく》して、九死一生《きうしいつしやう》になつた事《こと》。日出雄少年《ひでをせうねん》と猛犬稻妻《まうけんいなづま》との別《わか》れの一段《いちだん》。禿頭山《はげやま》の彼方《かなた》から、大輕氣球《だいけいききゆう》がふうら/\と舞《ま》ひ降《くだ》つて來《き》た事《こと》。さては、紀元節《きげんせつ》の當日《たうじつ》の盛《さかん》なる光景《くわうけい》、つゞいて、電光艇《でんくわうてい》試運轉式《しうんてんしき》の夜《よ》の大異變《だいゐへん》から、今回《こんくわい》の使命《しめい》に立到《たちいた》つた迄《まで》の奇譚《きだん》は、始終《しじう》彼等《かれら》をヤンヤ[#「ヤンヤ」に傍点]と言《い》はせて、吾等《われら》孤島《こたう》の生活中《せいくわつちう》は
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