る船長等《せんちやうら》の振舞《ふるまひ》をば痛《いた》く攻撃《こうげき》すると共《とも》に『日本人《につぽんじん》の魂《たましひ》。』なんかと標題《みだし》を置《お》いて、君等《きみら》の其時《そのとき》の擧動《ふるまひ》を賞讃《しようさん》するのを見《み》るにつけても、實《じつ》に斷膓《だんちやう》の念《ねん》に堪《た》えなかつたです――何《なに》、あの卑劣《ひれつ》なる船長等《せんちやうら》は如何《どう》したと問《と》はるゝか。左樣《さやう》さ、一旦《いつたん》は無事《ぶじ》に本國《ほんごく》へ歸《かへ》つて來《き》たが、法律《ほふりつ》と、社會《しやくわい》の制裁《せいさい》とは許《ゆる》さない、嚴罰《げんばつ》を蒙《かうむ》つて、酷《ひど》い目《め》に逢《あ》つて、何處《いづく》へか失奔《しつぽん》してしまいましたよ。』
『愉快《ゆくわい》だ! 愉快《ゆくわい》だ!。』と武村兵曹《たけむらへいそう》は不意《ふゐ》に叫《さけ》んだ。
私《わたくし》は失笑《しつせう》しながら問《とひ》をつゞけて
『濱島君《はまじまくん》、して、其後《そのゝち》、君《きみ》も、夫人《おくさん》も、引續《ひきつゞ》いてネープルス[#「ネープルス」に二重傍線]港《かう》にのみお在留《いで》でしたか。今《いま》また此《この》軍艦《ぐんかん》[#ルビの「ぐんかん」は底本では「ぐんがん」]に便乘《びんじよう》して日本《につぽん》へお歸國《かへり》になるのは如何《どう》いう次第《しだい》です。』と胸《むね》に手《て》を置《お》いて
『ちと想像《さうぞう》に※[#「過」の「咼」に代えて「咼の左右対称」、339−3]《すぎ》るかも知《し》れないが、私《わたくし》は先刻《せんこく》から考《かんが》へて居《を》つたのです。今《いま》此《この》新造巡洋艦《しんざうじゆんやうかん》に君《きみ》の愛兒《あいじ》日出雄少年《ひでをせうねん》の名《な》と何《なに》かの因縁《ゐんねん》ある如《ごと》く「日《ひ》の出《で》」と命名《めいめい》されて居《を》るのは何《なに》か深《ふか》い仔細《しさい》のあるではありませんか。』
『其事《そのこと》は此《この》虎髯《ひげ》がお話《はなし》申《もう》すのが順當《じゆんたう》でせう。』と不意《ふゐ》に室内《しつない》へ飛込《とびこ》んで來《き》たのは、例《れい》の磊落《
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