になっても生き上らんいのちの執拗さを示している。娘が何度も青春を迎えるといった言葉が思い出される。
翁は掌の上に載せた火山弾にだんだん切ない重みを感じながら、その娘に対し氷にもなれというような呪詛をかけたことのおよそ見当違いでもあり、無慈悲な仕打ちであることが悔まれた。
今頃、娘はどうしているだろう。福慈岳には夏に入るので白雪でも頂いていやしないか知らん。
翁はすごすごと小石をまた懐へ入れた。苫に当る雨音を聞きながら一夜を寝苦しく船中に明した。
房総半島に上り、翁は再び望多《うまぐさ》の峰《ね》ろの笹葉の露を分け進む身となった。葛飾《かつしか》の真間の磯辺《おすひ》から、武蔵野の小岫《ぐき》がほとり、入間路《いりまじ》の大家が原、埼玉《さきたま》の津、廻って常陸の国に入った。
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筑波|嶺《ね》に、雪かも降らる、否諾《いなを》かも、愛《かな》しき児等が、布乾《にぬほ》さるかも
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山の祖神は、平地に禿立《とくりつ》している紫色の山を望み、それは筑波という山であって、それには人身の形をした山神が住んでいることを聞き知った。
その山
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