で打ち切らなければならないことも諒解《りょうかい》出来ました。しかし茲《ここ》で僕に少しく云わして頂き度い。あなたと僕と「性」の対蹠的《たいせきてき》な要素を無視して交響し合うことが出来なかったのは、かえりみて僕にもはっきりと判って来ましたが、僕は負け惜しみではありませんが、それを直《す》ぐフロイドのように性慾の本能というハッキリしたものへ持って結び付けることは浅はかだと思います。なぜなら、その本質はどこ迄も一元より更に基本性を帯びた根元の人間感覚では、空虚という絶対感に滅入してしまうより仕方のない奥深いところで結び合う――あのいつぞやあなたと話し合いましたね、ローレンスの文学を構成している性――あれですね。ローレンスの性の根本的意義はもちろん一方に性慾も含まれているには違いないが、もっと両性の細胞の持つ電子のプラスとマイナスの配合の問題として考え度《た》いと、あなたは仰有《おしゃ》いましたね。今にして思えば、僕等は僕等の性のおつき合いをあの解釈にあてはめ度いと思うのです。あたりまえのようで不思議なのは、あなたも僕も同じ熱情的であり自我的でありながら、それが空虚の心境にまで進んでいたこ
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