言った。
「そのとき、パパさえ傍にいて呉《く》れれば」
 逸作はわたくしの手を固く握り締めた。
「俺はいてやる。よし、やれ」
 傍にこれを聴いていた息子は、
「こりゃ凄《すげ》えぞ」
 と囃《はや》した。



底本:「昭和文学全集 第5巻」小学館
   1986(昭和61)年12月1日初版第1刷発行
底本の親本:「岡本かの子全集」冬樹社
   1974(昭和49)年〜1978(昭和53)年
入力:阿部良子
校正:松永正敏
2001年4月3日公開
2003年5月25日修正
青空文庫作成ファイル:
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