身《こんしん》の熱い血がこみ上げて来た。多可子は政枝の亡骸《なきがら》に取りすがって涙と共に叫んだ。
「政ちゃん、安心して行って下さい。――あたしあんたと二人分生きる苦るしみと戦い――戦い――戦い――」
あとは泣き声で言葉にまとまりがなかった。
底本:「岡本かの子全集4」ちくま文庫、筑摩書房
1993(平成5)年7月22日第1刷発行
底本の親本:「岡本かの子全集」冬樹社
1974(昭和49)年3月〜1978(昭和53)年3月
初出:「新女苑」
1937(昭和12)年12月号
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2010年3月2日作成
青空文庫作成ファイル:
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