出入り嚴禁。廊下板をはづし、段々を下りて洗ひ場にをりる。風呂の高さは廊下とすれすれだから、入浴してゐる人の顏だけは見える。地下室を造ればよかつただらうが、家が出來上つてしまつたあとの思ひつきなので、そんなをかしなものが出來たのであつたらしい。
漫畫の世界。泥棒がはいつたとたんに、縁の下からニヨロリと裸が出て、キヤツと叫んだらば、泥棒の方が目を廻しとでも書けば面白いが、そんなばかげた出來ごとはなかつた。小僧が一度落ちたといふことはきいたが――
[#地付き]――昭和十四年五月號・朗――
底本:「隨筆 きもの」實業之日本社
1939(昭和14)年10月20日発行
1939(昭和14)年11月7日5版
初出:「朗」
1939(昭和14)年5月
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2009年1月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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