四人の兵隊
長谷川時雨
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)迦陵頻伽《がりようびんが》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一番|幸福《しあはせ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)はいつて[#「はいつて」は底本では「はついて」]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ホク/\
−−
出征文人の一員、林芙美子のリユツクサツクのなかへはいつて[#「はいつて」は底本では「はついて」]、わたしの心持も行くといふと奇矯にきこえるが、わたくしの兵隊さん慰問文が、おぶつていつてもらふことになつた。思ひがけない嬉しさなので、どうしてもそのことから書かなければ氣がすまない。
芙美子は電話で優しくいつてくれた。五通ばかりお書きなさい。よい場處へ、畫鋲で貼つて來てあげます。
それをきいた時の感は、迦陵頻伽《がりようびんが》の聲とは、かうもあらうかと忝けなかつた。含みのある、美しき情《なさけ》に富んだ聲音《こはね》――きくうちに、わたしの心は、花が開くときもまたかうもあらうかと思ふ、和《やは》
次へ
全6ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
長谷川 時雨 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング