色々並べます。
 お兼中年増の図々しい、いやらしさで伊吉を見ます。余りしげしげ見られるんで伊吉一寸テレます。

5=附近
 お類待ってます。乳母に「お前見といで」と言ってます。

6=生島屋表
 お兼さん買物を済まして出て行きます。
 乳母が戻って来ると伊吉が得意先でも廻る恰好で出て来る。
 乳母が「早く」と目顔で……伊吉急ぎ足に近づく。乳母が「待ってらっしゃいますよ」と言って置いて日傘を取りに店へ戻る。背後の板塀に戯書がある。相合傘の下に、
 いきち、おるい
 その戯書の大写からO・Lして、

7=元のお類の待っていた処
 お類と伊吉のラブシーンです。
T「あんたとの事兄さんに話したら」
 とお類です。伊吉が、
T「許して下さいましたか?」
 お類が、
T「兄さんは、あんたの妹さんをお嫁に欲しいんだッて」
 えッと伊吉、
T「御主人様がおふみを?」
 伊吉返答に困った。
T「そうしたら妾をあんたのお嫁さんに呉れてやるって」
 伊吉困った。
 乳母が日傘持って帰って来た。伊吉それと見て話をやめる。お類が、
T「妹さんと相談しといてね」
 と乳母と共に去る。その前を一人の娘が通り掛った。
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