ャブジャブ走って来る。
(F・O)
79=(F・I)街道
右門と伝六とおふみの前に何と敬四郎が道の真中で土下座して両手をついてペコペコ頼んで居る。
T「今度の捕物にもし失ぱい致すとなれば」
T「一生家内に頭が上りません」
T「何卒武士の情を持ちまして」
T「この手柄は拙者におゆずり下さい」
と頼み込んでいる。
(F・O)
80=(F・I)峠の頂上
五人組が腰打ち掛けて待って居る。
81=遙か下から
上がって来る伊吉。
村井庄兵衛が「アレらしい」
と言う。
82=下の道
右門伝六おふみに敬四郎と松の一行が来る。おふみが前方を見て、
T「兄さんだわ」
と言う。
遙か遠方に伊吉。
伝六がオーイ、
と呼ぶが聞えない。
83=そのまた下の道を
暗殺十人組が来る。
84=頂上
伊吉が通り過ぎるのを呼び止めた庄兵衛が、
T「貴様伊吉と言うんだろう」
「へッ」と伊吉。
そうか、で庄兵衛大刀を抜く。
「あッ」
と驚く伊吉。
85=下の道
伝六が旦那大変だと叫ぶ。右門それと見て走る。頂上、逃げ廻る伊吉。右門が駈け附けた時、伊吉足踏み辷らし谷川に落ちる。
逆流――
右門助けに走る。暗殺十人組が来る。
右門と伝六に敬四郎と松の立廻りよろしく。
結局、右門逆流に飛び込んだ。
(此の辺相当興行価値をつけるつもりです)
(F・O)
86=(F・I)宿の一室
お類と浪之助。
T「兄さん金を送る事を忘れたんじゃ無いかしら」
「そんな事あるまい」と浪之助。
T「宿を間違えてんじゃ無い?」
とお類。
T「此処だと確かに言って置いたんだ」
と浪之助。
T「兎も角遅いなァ」
言って居る時女中が、
T「只今江戸から飛脚が」
二人飛び起きた。
その儘ドカドカと階下へ下りる。
87=表
飛脚は敬四郎の乾分松公です。下りて来た二人に「御用ッ」とばかりとび掛かる。
夕方の宿場の混乱の中に遂に二人を捕えると、宿の二階を見上げて、敬四郎ペコペコ頭を下げて、
T「これで嬶ァに威張れます」
浪之助とお類、上を見ると宿の二階の手摺りに右門と伝六おふみに伊吉。右門が、
T「いいお湯が沸いてますよ」
T「一風呂浴びて帰ったら何うですお二人」
前へ
次へ
全15ページ中14ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
山中 貞雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング