/\し
繕ひて幾夜の冬や紙衾
炭焼の顔洗ひ居る流れかな
風呂吹の一切づゝも一句かな
顔見世や病に痩せて菊之丞
寒声は女なりけり戻り橋
有明や鴛鴦の浮寝のあからさま
鮟鱇の口から下がる臓腑かな
茶の花をまたいで出でつ墓の道
から/\と日は吹き暮れつ冬木立
樹にかけし提灯一つ師走かな
大年の両国通ふ灯かな
煤掃や庭に居並ぶ羅漢達
暁や見附出づれば餅の音
忘れけり四十九年の何とやら
[#ここで字下げ終わり]



底本:「鳴雪自叙伝」岩波文庫、岩波書店
   2002(平成14)年7月16日第1刷発行
底本の親本:「鳴雪自叙伝」岡村書店
   1922(大正11)年刊
※底本には、各章冒頭に岩波文庫編集部が付記した見出しがありますが、省きました。
※底本には、一部旧字が使われていますが、そのままとしました。(鐵、龍、燈、繪)
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号1−5−86)を、大振りにつくっています。
※附録の俳句の誤りは、近代デジタルライブラリー(http://kindai.ndl.go.jp/)の「鳴雪句集」にて確認しました。
入力:kazuishi
校正:Juki
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