朝露や矢文を拾ふ草の中
暁や鐘つき居れば初嵐
我声の吹き戻さるゝ野分かな
税苛し莨畑の秋の風
三日月や仏恋しき草枕
三日月に女ばかりの端居かな
月の船琵琶抱く人のあらはなり
横雲やいざよふ月の芝の海
古妻の昔を語る月夜かな
空家に下駄で上るや秋の雨
初潮を汲む青楼の釣瓶かな
山の井や我顔うつる秋の水
提灯で見るや夜寒の九品仏
山越や馬も夜寒の胴ぶるひ
堂島や二百十日の辻の人
我が描きし絵に泣く人や秋の暮
行秋の石より硬し十団子
下京や留守の戸叩く秋の暮
七夕を寝てしまひけり小傾城
押し立てゝはや散る笹の色紙哉
呼びつれて星迎へ女や小磯まで
屋根越しに僅かに見ゆる花火かな
小袴の股立とつて相撲かな
小角力の水打つて居る門辺かな
魂棚の前に飯喰ふ子供かな
草分けて犬の墓にも詣でけり
墓拝む後ろに高き芒かな
草市の立つ夜となりて風多し
通夜の窓ことり/\と添水かな
提げて行く燈籠濡れけり傘の下
酔顔の況や廻燈籠かな
踊るべく人集まりぬ月の辻
月ももり雨も漏りしを蚊帳の果
つゞくりの遂に破れて秋の蚊帳
巻きかへて又打ち出だす砧かな
摂待に女具したる法師かな
鳩笛も吹きならひけり湯治人
吹くう
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