定本青猫
萩原朔太郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)哀愁《ペーソス》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)大|海龜《うみがめ》は

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]繪
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宇宙は意志の現れであり、意志の本質は惱みである
              シヨウペンハウエル
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  自序

「青猫」の初版が出たのは、一九二三年の春であり、今から約十年ほど昔になる。その後ずつと絶版になつて、市上に長く本を絶えて居た。元來、詩集といふものは、初版限りで絶本にするところに價値があるので、版を重ねて増册しては、詩集の人に貴重される稀本の價値が無くなつて來る。しかも今日、あへてこの再版を定本にして出す所以は、著者の私にとつて種種の理由があるのである。
 第一の理由は、初版「青猫」
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