ない。しかして藝術の自由なる創作が、文典や詩形の後に[#「後に」に丸傍点]生れると云ふ如き怪事は、未來に於ても容易に想像を許さないところである、よしそれが實現された所で、かかる種類の細工物は眞の藝術と言ひがたい。さらば今日に於て[#「今日に於て」に丸傍点]我等の選ぶべき唯一の詩形はどこにあるか。けだし我等の自由詩に對する興味は、むしろそれが一つの「宿題」であり「疑問」であり、且つまた「未成品」でさへある所にある。あへて我等は、自由詩の價値そのものを問はないのである。
底本:「萩原朔太郎全集 第一卷」筑摩書房
1975(昭和50)年5月25日初版発行
底本の親本:「青猫」新潮社
1923(大正12)年1月26日發行
※底本では一行が長くて二行にわたっているところは、二行目が1字下げになっています。
入力:kompass
校正:門田裕志、小林繁雄
2005年6月14日作成
青空文庫作成ファイル:
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