、僕のすべての読者諸君、特に反対意見を持たれる諸君が、好奇心からでも、是非今度の書物を読んでもらいたいことである。それを一応読まれた上で、もし尚反対の意見があったら、その時こそ遠慮なく、正面から僕に挑戦して来てもらいたい。僕もまたその時こそ堂々と諸君を対手に弁論し、あくまで説の正邪を戦わしてみようと思う。僕は常に「真理」を愛し、議論の「勝敗」の如きを意に介しない。故に諸君の反駁にして僕に優《まさ》れば、いつにても自説を改め、より正理に適《かな》える諸君の門下に帰するであろう。



底本:「詩の原理」新潮文庫、新潮社
   1954(昭和29)年10月30日発行
   1972(昭和47)年3月10日20刷改版
   1975(昭和50)年9月10日27刷
※複数行にかかる波括弧には、けい線素片をあてました。
入力:鈴木修一
校正:門田裕志、小林繁雄
2007年2月19日作成
青空文庫作成ファイル:
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