上の都大路になつてゐるのだから、彼等の詩人に月が閑却されるのは当然である。科学は妖怪変化と共に、月の詩情を奪つてしまつた。

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 ペルシアの拝火教で、人間の霊魂が火から生まれたことを説いてゐるのは、生物の向火性と対照して、興味の深い哲理を持つてゐる。
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底本:「日本の名随筆30 宙」作品社
   1985(昭和60)年4月25日第1刷発行
   1987(昭和62)年8月10日第2刷発行
底本の親本:「萩原朔太郎全集 第一一巻」筑摩書房
   1977(昭和52)年8月発行
入力:とみ〜ばあ
校正:門田裕志、小林繁雄
2005年5月3日作成
青空文庫作成ファイル:
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