代の作である。而して「見知らぬ犬」と「長詩二篇」とは比較的最近の作に属す。

一、極めて初期の作で「ザムボア」「創作」等に発表した小曲風のもの、及び「異端」「水甕」「アララギ」「風景」等に発表した二、三の作はこの集では割愛することにした。詩風の関係から詩集の感じの統一を保つためである。
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 すべて初期に属する詩篇は作者にとつてはなつかしいものである。それらは機会をみて別の集にまとめることにする。
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一、この詩集の装幀に就いては、以前著者から田中恭吉氏にお願ひして氏の意匠を煩はしたのである。所が不幸にして此の仕事が完成しない中に田中氏は病死してしまつた。そこで改めて恩地孝氏にたのんで著者のために田中氏の遺志を次いでもらふことにしたのである。恩地氏は田中氏とは生前無二の親友であつたのみならず、その芸術上の信念を共にすることに於て田中氏とは唯一の知己であつたからである。(尚、本集の※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]画については巻末の附録「※[#「插」でつくりの縦
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