身、今彼輩の手にかかるのは勿体ない、ナルベク其危殆を免れたいという生存欲で、聊か深刻と徹底を欠くの嫌いはあるが、総て具体的の記述を避けて、抽象的暗示的の筆を執る事にした、それで何だか卑怯らしい所もあるが、円本出版屋の大広告を載せて有卦に入る諸新聞、印税を貰って北叟笑む蚊士共、それ等に縁固ある諸雑誌、評論家ばかりで、誰一人此時弊を打破せんとする志士なきを慨して奮起した著者、此勇気だけは何人も認めてくれよう
昭和三年十月十日 再生外骨
総目録
著者の自序(巻頭)
(写真版) 昨春の敗軍遺物
現在の無謀戦況
緒言
害毒の十六ヶ条
害毒の要目
円本出版屋の無謀
円本著訳者の悖徳
図書尊重の念を薄からしむ
予約出版の信を失なわしむ
普通出版界に波及せし悪影響
多数少国民を荼毒せし文弱化
融通金主の当惑
印税成金の堕落
広告不信認の悪例を作りし罪
批評不公平の悪習を促せし罪
国産用紙の浪費
製本技術の低下
通信機関の大妨害
運輸機関の大障礙
一般財界の不景気を助長す
一般学者の不平心を醸成す
円助芸者と円本芸者
円本関係の裏面談
釣られた
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