予約者の多かった理由
破約者続出で読者激減の理由
予約金取込みのアテ外れ
取次小売店が横暴と呼ばれた事
残本を安売した出版屋の謝罪
残本を買取ったゾッキ屋の後悔談
残本の多いのに困る出版屋
残本古本が売れない理由
ハヤリ物にロクなものなし
買いたくば時を待つがよい
最終刊篇と本棚の問題
同質本の競争劇甚は双方の大損
読者の横暴
今に新円本出版の続出するワケ
遅れ馳せに出た破廉恥漢の醜様全集
一年半前の予言的中記
コケがモト
円本総マクリの自跋
本書を披見して、一時円本潮来の渦中に巻込まれた事のある人々は、少しクスグッタイ感を起される項もあろうが、此極端なる厳正批判と、遠慮なき内情暴露とは、マタ後日のおタメに成る点もある筈だから、ムカ腹を立てず、冷静に全篇を通読なさい、お笑草の所もありますよ
一円本流行の害毒と其裏面談
著者 再生外骨
文運促進とか、読書子幸福とか、出版界革新とか云って、円本の流行を謳歌して居る奴も多いが、それ等はいずれも、永々貧乏生活をしていた蚊士輩が、図らずも巨額の印税にあり付いたので、其礼心やら、流行継続の野望から出たソソリ文句を並べるに過ぎない、古来の俚諺に「盗人《ぬすと》にも三分の理がある」という、円本の流行にも何等かの利益はあろうが、それは盗人の道理に同じ事と見る、本書の著者は、礼讃の正反対たる撃退目的の痛棒をクラワシてやるのである、論難の無遠慮にして切実、観察の徹底的にして明敏、加之《しかも》、簡潔の警句、犀利の妙文を以て自ら誇る著者が、五日間、鬼の住むという東北の山中にこもり、腕にヨリを掛て書きノメシた此総マクリ、毀《そし》る者は毀《そし》れ、誉める者は誉めろ、著者の胸中はタダ光風霽月
害毒の十六ヶ条
我出版界のため、我読書界のため、延《ひ》いては我学界のため、我経済界のため、黙過すべからざる重大の社会問題として、一円本流行の害毒を列挙すること左の如しである
要は破壊にあらずして建設、悪物退治にありて正業保護、罵らんとして罵るにあらず、傷つけんとして傷つくるにあらず、正論硬議、熱血の迸《ほとばし》り、熱涙の滴《したた》り、秦皇ならねど、円本を火にし、出版屋を坑にせんずの公憤より出た救世の叫びである
但し一円本とは一冊一円の全集物、及び一円以下のヤクザ本全集の事であって、一冊二円、三円、五円の全集物を云
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